石松研究室の飯田です。7/29~8/1の期間に、大地の芸術祭を鑑賞して周っていました。目的としては他の芸術作品の規模や形態などを調査することでしたが、結果全体の約85%(他の方の協力を合わせると90%以上)を見て周るかなり窮屈なスケジュールで動いていました。作品まで走ったり山道で近道したりと無理をしていた上、なんと全日大変な日照り。なかなか2度とは行いたくはないスケジュールでした。綺麗な空に作品は映えますが、歩くのは辛い。芸術祭の観光は安全に余裕を持って鑑賞しましょう。
作品が点々としているため、いろんな作品を見て周るには車なしではうまく動けません。しかし広い地域で、広く場所を使うことでアーティストの思うままの規模で行えることが良いことだと思います。私たちのijuもそうですが、空き家一軒を丸々使い一つの作品でさまざまなことを表現する、美術館のホワイトキューブ(白い天井、壁で囲まれた空間)では出せない世界観を演出できるのも芸術祭の大きな特徴です。
屋外では大自然の中に屹立する壮大な彫刻を作ることもできます。周りには人も他の作品も無く、その彫刻のみが自然に囲まれる様は異様な光景にも見えます。私はそこで得られる自然と人工物の織りなす超常的な感覚がとても好きです。
どの作品が素晴らしいというのは難しいですが、大地の芸術祭は20年以上の歴史があるため長く続く作品は時を経て、いろんな思いを重ねて進化することもあります。その年々で新しい作品を作ったり、展示作品を入れ替えたり、空き家内の作品空間を広げたり、拠点として新しいプロジェクトを起こしたりなどさまざまです。そこにはアーティストの方々が大地の芸術祭で積み重ねてきた想いと形があります。それはもちろん私たちの作品も同じことであり、この場所でも田野倉の方々と石松研究室が重ねてきた歴史の成果を楽しんでいただけたら幸いです。
最後に私が芸術祭を周って写真を撮影して感じることは、作品は自分で見て、その場で体感してこそだということです。その作品が存在する空間は、写真や映像では実感することはできません。ぜひご自身の目で大地の芸術祭を鑑賞してみてください。
Comments